雑記という名の

本当に思ったことを雑に書いていきます かなり不定期

寄生獣のアニメに思う「メディア化」の在り方

 あの傑作漫画「寄生獣」がアニメ化すると聞いて最初は期待とともに不安があった。寄生獣は連載時に追っていたわけでは無いが評判を受け後で読んでかなり感銘を受けた記憶が残っていた。しかしこの作品は名作漫画にたがわず「漫画」という媒体で完ぺきなほど完成しておりそもそもメディアミックスに向いていないのではないかと思っていた。そんな中公開されたキャラクターデザインには私も衝撃を受けた。

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原作の絵柄からかなり大胆な変更がなされ主人公もメガネをしているなどキャラクターから差異がある。これに私は相当なショックを受け、アニメ版の視聴は正直気が進まなかった。

 ところがアニメ版を見るとなるほどこれはその他の原作改変アニメとはまた違う戦略的な改変であると感じた。まず原作が20年以上前のものであるため時代設定を変更し現代化してある。と同時に主人公新一のキャラクターが原作の少し突っ張った感じから現代のありふれた少年として描かれがちな気弱で消極的な設定となっている。これに合わせ前述のようにメガネをしていたり一人称が「俺」から「ぼく」に変更されているほかセリフやその言い方などかなり細かい範囲まで改変されている。このことから、製作者側は明らかに「現代版寄生獣」を描きたいという意図が見て取れる。これは寄生獣がもつメッセージ性を伝える手段としては私は「アリ」だと考える。作画も丁寧でミギーが自由に動くさまなどはとても心地よく感じた。一部で危惧されていたキャスティングもミギーをマスコットとして打ち出す魂胆が透けて見えなくもないが想像していたよりは違和感もなく無機質な感じが出せていたと思う。

 しかし、万事OKとはいいがたいと思う。第二話に顕著だがこのアニメは音楽の使い方が残念であるように感じる。好みの差もあるだろうがコミカルな部分のおどけた調子や緊迫したシーンのやけに仰々しい音楽は元々に原作の乾いた雰囲気にはあっていないと感じるのだ。アニメは前述の通り原作と雰囲気を変えるように意図的に演出しているがそれでもシーンなどはかなり再現されているため違和感がぬぐいきれないのである。OPEDもバップ特有のタイアップでやはりイメージとは異なる。

 というわけでアニメはかなり健闘しているが原作の販促という意味ではこちらの非公式MADのほうがよっぽど効果的ではないかと思ってしまう次第である。

 


【MAD】寄生獣【ネタバレあり】 ‐ ニコニコ動画:GINZA

 

 

刊行ペースの遅い漫画の魅力

 平野耕太氏の漫画「ドリフターズ」の4巻目がようやく今月末に発売される。全巻の発売が昨年3月なので実に1年7ヶ月ぶりの新刊となる。どう作者は前作「HELLSING」を10年かけて10巻で完結させた前歴があるとはいえなかなかの遅筆といえるだろう。

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 しかしながらファンとして「早くしろ」という心理が働かなくもないが同時にこの待ち遠しい時間は有益であるようにも感じる。リアルタイムの読者にしか感じられないこの期待に満ち溢れた期間は漫画の楽しみの一つのように感じるのだ。

モジャ公の完全版アニメ化を望む

藤子・F・不二雄氏とい人物は大衆によく知られている「と思われている」という点では手塚治虫以上ではないかと思われる。児童向け漫画を主としているのは確かであるが青年向け、少年向けの作品も多数書いており青年向けのSF短編などは折に触れて話題にされる。その中でも最も押したい作品は「モジャ公」である。あまりF知識のない人にはそこまで有名ではないがファンならば誰もが納得する鉄板中の鉄板である。

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お馴染みの絵柄から繰り出されるのは壮大な宇宙スペクタクルとシニカルな世界観、それに織り交ぜられるオフビートでときにダークな笑いである。F氏の持ち味がこれでもかと詰め込まれておりどの世代が読んでも味わい深いものとなっている。この作品は一度アニメ化されているのだがこちらは幼年向けにされたものであり原作とは180度異なるトーンの作品となっている。このようなケースはよくあることではあるし今更アニメ化など無理に等しいとは思う。しかし「墓場鬼太郎」という素晴らしいアニメ化の例がある今一概に無いとは言い切れないだろう。今でも原作準拠の「モジャ公」がノイタミナ枠などでアニメ化されることを願っている。

アニソン歌手「分島花音」という可能性

 アニソン業界はいまや混沌の極みと化しているともいえる。声優のタイアップのほうが人気が出るといった現状もある中、10代の新人も増加したり「歌い手」からの流入という今までになかった選択肢も出てきた。そんな中で私がイチ推ししたいアニソン歌手が「分島花音」である。

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この歌手の大きな特徴としてアーティスト界でも珍しいチェロ・ボーカリストである点だ。アニソン界では意外と珍しいシンガーソングライターでもある。私は「サクラメイキュウ」で初めて知ったのだがその伸びやかかつ壮大な響き。そしてサビに向けての盛り上がりが非常にわたし好みであり一気にファンになった。声室や歌い方も他の歌手にはない独自性を感じるしチェロの絶妙な音色も心踊らされる。また、曲幅が豊富であることも特徴であり「ファールプレーにくらり」などはかわいらしい雰囲気の曲となっておりテーマに合ったものとなっていた。現在は「selector spread WIXOSS」OP「world's end, girl's rondo」が絶賛発売中である。こちらも実に彼女らしい素晴らしい疾走感のある曲となっている。アニソン界で異質ながらも輝く存在として今後に期待したい。

コンビニチキンのすゝめ

昔からのひそかな嗜みとして各コンビニのホットスナック、特にチキン系を食べることがあり一時期はほぼ毎日食べていた。そんな中で最近私がいたく気に入っているのがサークルKで販売されている「チキンステーキ串」である。

 

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これまでサークルKではフライドチキンがメインであったがこのチキンステーキ串がコストパフォーマンス面でも味の面でも絶妙によろしい感じとなっている。この手のフードの特徴として手頃に食べられる点が最大の魅力である。いつの間にかコンビニに誘い込まれすぐに楽しめる幸せ。この小さな幸福が日常には欠かせない

「なりヒロwww」と「Hi☆sCoool! セハガール」の1話を比べて分かったこと

 2011年秋期のアニメは今にして思えば近年稀にみる豊作期だったのではないか。「Fate/zero」「ペルソナ4」「境界線上のホライゾン」「僕は友達が少ない」「ギルティクラウン」等、様々な面で話題に事欠かないメンツであった。そんな中私が最も楽しみにしていたアニメが「gdgd妖精s」である。このアニメはアニメでありながら3つのコーナーを持ちさらにその内1コーナーは声優のアドリブを駆使するといったかなりバラエティ調なものであった。このアニメの仕掛け人は企画・監督のCGグラフィックデザイナー菅原そうた氏と脚本・演出の石館光太郎氏である。この二人はその後袂を分かち石館氏はgdgd妖精sで生かした「アドリブ」という点主に生かし「直球表題ロボットアニメ」や「てさぐれ!部活もの」などを制作していった。私はこの石館作品を大変気に入りその新鮮且つ鋭い笑いに虜になっていった。

 そんな中、そうた氏が監督するCGアニメが2作品も同時期に放送されるというではないか。しかもキャラクターデザインもそうた氏が担当しているので見てくれもかなり似ている。しかしこの2作品、視聴後の感想にかなりの差がありネットなどでの評価も明暗分かれている感じがある。今回はこの二作品を比較してみたいと思う

 

なりヒロwww


なりヒロwww #1 ‐ ニコニコ動画:GINZA

 

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 ざっくりしたあらすじはOP曲で説明されているが要約すれば「ひょんなことから世界を救うヒロインに」という類型的パターンをふまえつつ本編はgdgd妖精s的なキャラ同士の掛け合い をメインとするシュールギャグである。今「gdgd妖精s的」と言ったが主要キャラが会話するシーンの描写はモロgdgd妖精sの焼き直しといっても差し支えの無い様なショットで繰り広げられる。また内容もキャラの名前が歴史上の哲学者を基にしているからか妙に哲学的な問答が目立つ。気になった点はそのやり取りのテンポが悪いように感じた点だ。落ちまでのフリが長かったり繰り返しネタが冗長に感じる部分が多く感じた。15分アニメとしてこの点は致命的であるともいえる。また、そうた氏の得意とするパロディ的な部分も控えめに抑えられており突飛なCGを用いたギャグなどもなかった。総合的に見てそうた氏の作品にしてはパンチや勢いに欠けていたといえるのでは無いだろうか。

 

 

・Hi☆sCoool! セハガール

 


Hi☆sCoool! セハガール 1bit 「いつだって10年早いんだよ!」 ‐ ニコニコ動画:GINZA

 

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 こちらはゲーム会社の重鎮「SEGA」の企画した自社が過去に発売していたハードの擬人化企画から派生したアニメでありSEGAとのコラボ色が非常に強いものとなっている。東京都羽田・大鳥の「セハガガ学園」に入学してきた三人が単位修得のために試練を受けていくといったものであり学園コメディ(?)の体をとっている。背景や音楽などに仕掛けられた細かなSEGAネタや掛け合いの中にもSEGAにまつわるマニアックなネタがふんだんに盛り込まれておりレトロゲーファンにはたまらないものとなっている。これらはそうた氏のパロネタの延長ともいえるだろう。一方でこちらはとにかくテンポのいいボケとツッコミがつづくためSEGAネタが分からない層にも笑えるようになっている。

 

 以上のように第1話時点のつかみとしては圧倒的にセハガールに軍配が上がっているといえるのではないだろうか。もちろん今後の展開次第であるとはいえ特にショートギャグアニメであると最初のつかみは相当重要な部分を占めてくるのでこの差は大きい。

 これらの違いの理由としては脚本家の違いが挙げられるだろう。なりヒロwwwの脚本ますもとたくや氏はおもに「トミカヒーロー レスキューフォース」などの特撮やドラマを担当していた作家である。一方セハガールの脚本岐部昌幸氏は「ゲームセンターCX」などのバラエティ番組の構成作家として活躍している人物である。この違いは多大なものであり特に岐部氏の起用はゲームネタを扱ったものとして適役というほかないだろう。gdgd妖精sの脚本家石館氏もバラエティ畑出身である点からそうた氏のシュール且つ奇想天外なギャグはバラエティ作家との食い合わせが非常にいということがわかるだろう。今期も話題作目白押しのアニメ界だがこの二作品の行く末は貴重な資料になりえるのではないかと期待している。

台風が‥

台風を待ち望んでいた時期が誰にでもあるだろう。小中学生の時、暴風警報の発令を見ては歓喜しそれが解除されれば苦虫を噛み潰したような顔をする。それもこれも、安全確保のための休校を望んでいるがためである。冷静に考えれば休校分の授業は補講が行われたりするし、台風ならば外出もできないためろくな行動もできないはずだ。それでも子供にとっては「普段休みではない時の休み」というのはかけがえのない素晴らしさを感じるのだろう。

 さて、未曽有の大台風が迫りつつある今日この頃、できるだけ私生活に被害が生じない程度になってほしいと願うばかりである‥。