雑記という名の

本当に思ったことを雑に書いていきます かなり不定期

「なりヒロwww」と「Hi☆sCoool! セハガール」の1話を比べて分かったこと

 2011年秋期のアニメは今にして思えば近年稀にみる豊作期だったのではないか。「Fate/zero」「ペルソナ4」「境界線上のホライゾン」「僕は友達が少ない」「ギルティクラウン」等、様々な面で話題に事欠かないメンツであった。そんな中私が最も楽しみにしていたアニメが「gdgd妖精s」である。このアニメはアニメでありながら3つのコーナーを持ちさらにその内1コーナーは声優のアドリブを駆使するといったかなりバラエティ調なものであった。このアニメの仕掛け人は企画・監督のCGグラフィックデザイナー菅原そうた氏と脚本・演出の石館光太郎氏である。この二人はその後袂を分かち石館氏はgdgd妖精sで生かした「アドリブ」という点主に生かし「直球表題ロボットアニメ」や「てさぐれ!部活もの」などを制作していった。私はこの石館作品を大変気に入りその新鮮且つ鋭い笑いに虜になっていった。

 そんな中、そうた氏が監督するCGアニメが2作品も同時期に放送されるというではないか。しかもキャラクターデザインもそうた氏が担当しているので見てくれもかなり似ている。しかしこの2作品、視聴後の感想にかなりの差がありネットなどでの評価も明暗分かれている感じがある。今回はこの二作品を比較してみたいと思う

 

なりヒロwww


なりヒロwww #1 ‐ ニコニコ動画:GINZA

 

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 ざっくりしたあらすじはOP曲で説明されているが要約すれば「ひょんなことから世界を救うヒロインに」という類型的パターンをふまえつつ本編はgdgd妖精s的なキャラ同士の掛け合い をメインとするシュールギャグである。今「gdgd妖精s的」と言ったが主要キャラが会話するシーンの描写はモロgdgd妖精sの焼き直しといっても差し支えの無い様なショットで繰り広げられる。また内容もキャラの名前が歴史上の哲学者を基にしているからか妙に哲学的な問答が目立つ。気になった点はそのやり取りのテンポが悪いように感じた点だ。落ちまでのフリが長かったり繰り返しネタが冗長に感じる部分が多く感じた。15分アニメとしてこの点は致命的であるともいえる。また、そうた氏の得意とするパロディ的な部分も控えめに抑えられており突飛なCGを用いたギャグなどもなかった。総合的に見てそうた氏の作品にしてはパンチや勢いに欠けていたといえるのでは無いだろうか。

 

 

・Hi☆sCoool! セハガール

 


Hi☆sCoool! セハガール 1bit 「いつだって10年早いんだよ!」 ‐ ニコニコ動画:GINZA

 

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 こちらはゲーム会社の重鎮「SEGA」の企画した自社が過去に発売していたハードの擬人化企画から派生したアニメでありSEGAとのコラボ色が非常に強いものとなっている。東京都羽田・大鳥の「セハガガ学園」に入学してきた三人が単位修得のために試練を受けていくといったものであり学園コメディ(?)の体をとっている。背景や音楽などに仕掛けられた細かなSEGAネタや掛け合いの中にもSEGAにまつわるマニアックなネタがふんだんに盛り込まれておりレトロゲーファンにはたまらないものとなっている。これらはそうた氏のパロネタの延長ともいえるだろう。一方でこちらはとにかくテンポのいいボケとツッコミがつづくためSEGAネタが分からない層にも笑えるようになっている。

 

 以上のように第1話時点のつかみとしては圧倒的にセハガールに軍配が上がっているといえるのではないだろうか。もちろん今後の展開次第であるとはいえ特にショートギャグアニメであると最初のつかみは相当重要な部分を占めてくるのでこの差は大きい。

 これらの違いの理由としては脚本家の違いが挙げられるだろう。なりヒロwwwの脚本ますもとたくや氏はおもに「トミカヒーロー レスキューフォース」などの特撮やドラマを担当していた作家である。一方セハガールの脚本岐部昌幸氏は「ゲームセンターCX」などのバラエティ番組の構成作家として活躍している人物である。この違いは多大なものであり特に岐部氏の起用はゲームネタを扱ったものとして適役というほかないだろう。gdgd妖精sの脚本家石館氏もバラエティ畑出身である点からそうた氏のシュール且つ奇想天外なギャグはバラエティ作家との食い合わせが非常にいということがわかるだろう。今期も話題作目白押しのアニメ界だがこの二作品の行く末は貴重な資料になりえるのではないかと期待している。